大江戸えねるぎー事情


大江戸えねるぎー事情 (講談社文庫)

大江戸えねるぎー事情 (講談社文庫)

  • 作者: 石川 英輔
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/07
  • メディア: 文庫



そのほとんどを人力でまかなっていた江戸時代と、電力に頼り切った現代とを
"えねるぎー(熱量)"を元に比較してみたものです。
正直、何々をするのに人力の江戸時代なら何キロカロリー。
現代では石油に換算して何リットルて、何キロカロリー。・・と、どうしても数字が羅列されることになるので、
ちょっと頭がくらくらしたりします^^;

でも、当然ながらすべてが数字の羅列ばかりではないですし、江戸時代の生活や現代との違いが分かり、
日本の技術の素晴らしさや、江戸時代の生活の大変さがよく分かります。
そう言えば以前、「洗濯板を発明した昔の人ってすごい」などと書きましたが、江戸時代には洗濯板なかったそうです。
意外と新しいものだったんですねぇ。
あと、江戸時代と現代の比較で驚いたのが、稲作と移動についてのえねるぎーの違い。
現代の稲作は色々な機械等を使うため、収穫した米の熱量より使用する熱量の方が多いのだそうです。
金額にするとどうなるのかはよく分かりませんが、熱量に限って言えば完全な赤字ですよ。
そして、移動。
江戸から京都(何故京都なのかについては、本文を参照くださいませ)間の移動に必要な熱量として、
徒歩と自家用車、新幹線、旅客機(これは京都には空港がないとのことで、大阪までです)で比べた結果・・。
徒歩と新幹線(あくまでも乗車率100%として)では、ほぼ変わらないのだそうです。
これにはびっくりですね~。
次いで旅客機、一番効率の悪いのが自家用車だそうです。
皆様、地球環境の為にも新幹線をもっと利用するべきですよ(笑)

ちなみにこの方、エネルギー問題には何の心配もしていないそうです。
「エネルギーが枯渇する前に、文明発展のスピードに人間の身体と神経がついていけなくなって絶滅する」
と言うのがその理由なのですが、この本が書かれて10数年。
色々な食品アレルギーや成人病。メタボリック・シンドロームに近年増加するイジメや訳の分からない事件を見てると、
確かにそんな気がしてきます。

大江戸リサイクル事情


大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)

大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)

  • 作者: 石川 英輔
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 文庫



江戸時代の日本は、大いなるリサイクル社会だった!
その徹底ぶりは目を瞠るばかりで、しかもそれが商売に結び付くあたりがすごいです。
下肥を肥料として使っていたのは知っていましたが、それが商品として流通し、しかも品不足(出る量はどんな人でもそう変わりませんしねぇ)で高騰したとか。
お金を払って持って行ってもらう現代とはえらい違いです。
ちなみにその頃下水の発達していたヨーロッパでは…日本人には考えられないほど不潔な処理しかしてなかったそうです。
もう、読んでるだけで具合が悪くなりそう・・[がく~(落胆した顔)]

流通していたのはもちろんそれだけでなく、かまどの下の灰を買う『灰買い』とか、ろうそくを灯して出るロウのしずくを買う『蝋燭の流れ買い』壊れた傘を集める『傘の古骨買い』
買い取る人ばかりでなく、壊れたり擦り減ったりした道具を修理する人も大勢いたみたいですね。
しかもこれが、家にいるだけで向こうから来て直してくれたり、ゴミを持って行ってくれたり…。
日本人て偉大^^
もちろん一見便利に見えるこのシステムも、すべてが人力による手作業だったからこそできたことで、
現代の機械に頼った生活ではとても実現不可能なものですが。


最近この方の本ばかり読んでいるせいで、すっかり毒され…影響されまくっております^^ゞ
江戸時代は素晴らしく環境のいい世界でしたが、その分ものすごく不便な世の中でもありました。
今のようになんでもかんでも電気の力に頼っている生活で、本当の意味でのリサイクルなんて実現可能なのでしょうか?

最高学府はバカだらけ


最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書 318)

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書 318)

  • 作者: 石渡 嶺司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 新書


この本を読んで、改めて日本は学歴変重(偏ってるんじゃなくて、)社会だなーと、認識するにいたった次第であります。

書いてあることを鵜呑みにしているわけではないですが、話半分としても訳もなく大学なんぞに行くよりは、
社会へ出て働くなり、専門学校へ行って技能を身につけるなりした方が、
自分にとっても社会にとっても、国にとっても有益だと思います。
正直、中学だって義務教育から外し、行く行かないの自由は決められてもいいような気がします。
実生活で何の役にも立たない、何の理由があって学ぶのかわからないような勉強をするより、
早く社会へ出た方がよほどいい。
(ええ、何の為だか分からない勉強なんかする気にもならず、成績は超低空飛行でしたとも!)

音楽家は小さいうちから教育しないとものにならないと聞きますが、
音楽家が許されるなら、職人だって子供のうちから修業を始めてもいいと思います。
実際職人は大人になってから始めたのでは、限界があると聞きましたし…。


ちなみにこの本。
一章だけ作者の方の創作でないかと思われる部分があります。
と言うか、創作であって欲しいというか…。
あれだけの悪意と嘲笑をまき散らす人間が複数おり、しかもそれに賛同する者が多いとしたら、
日本はもう終わりだねって感じですよ。